1948年12月、参議院法務委員会で証人として呼ばれた宮本百合子は、浦和充子の事件について、資料を読んだだけでは犯行の動機が理解できないと訴えます。子供を殺害した理由は、生活苦ではなく、夫への憎悪や社会に対する反抗心、そして戦争によって歪んだ人間の心理が複雑に絡み合っているのではないかと分析します。また、裁判における「身許引受人」の役割や、判事・検事による「社会問題」への強調が、被告の人権を尊重する一方で、子供の権利を軽視しているのではないかと指摘し、社会全体の「基本的人権」に対する認識の甘さを批判します。さらに、戦争によって殺すことに対する感覚が麻痺している現状を憂慮し、社会問題の解決のためには、真の「基本的人権」の擁護が不可欠であると力強く主張します。