「デカルト哲学について」は、西田幾多郎がデカルト哲学を批判的に分析し、自身の哲学を展開する論考です。カント哲学以降、デカルト哲学は独断的で形而上学的とされ、実践的な側面が重視されるようになりました。しかし、西田は、実践を真の意味で可能にするためには、真の実在を深く理解する必要があると主張します。そのためには、自己自身を疑い、自己の存在を深く探求する必要があります。西田は、自己を対象化して知ることではなく、自己自身の中に無限の否定を含み、自己自身を表現する存在として理解することの重要性を説きます。そこには、自己否定と自己肯定の矛盾的な同一性が存在し、哲学はそれを解き明かすための不断の探求であると述べています。