市ヶ谷加賀町から砂土原町へ向かう左内坂にある骨董店「FOREIGN ART OBJECTS」は、人通りの少ない、静かで不思議な魅力を持つ店だった。そこには、壊れた手風琴や、脚の折れた写字机など、時代を感じさせる様々な骨董品が並べられており、通りかかるたびに、キャラコさんは飾窓を覗き込むのが日課となっていた。ある日、飾窓に新しい油絵が飾られる。そこには、雁来紅色の夕暮れのなか、長椅子に座る少女と、彼女を見つめる青年の姿が描かれていた。その絵は、キャラコさんの心を強く惹きつけ、彼女は次第に、絵の中の青年への不思議な感情に気付いていく。やがて、彼女は、絵に描かれた風景を求めて、遠くの丘へと向かう。そして、そこで、彼女は絵の青年と再会する。