「事業を賤しむ」という言葉は、文学界に向けられた批判の一つの形です。著者は、この批判は、自身の「人生相渉論」を誤解したことから生まれたものだと考え、反論を述べます。文学という女神は、俗世的な「事業」に嫁ぐことを拒否すべきだと主張し、事業を以て文学を論じることの問題点を指摘します。著者は、事業とは、文学者が文章を書く事業以外の様々なものを含むものであり、事業を以て文人を論じることは、真相を誤る恐れがあると訴えます。文学は、事業ではなく、その人物論や文学史的な文脈の中で評価されるべきだと主張し、事業を以て文学を論じることの矛盾を明らかにします。