戦後間もない時期、高原の静かな場所で、若き作家たちがそれぞれの思いを胸に執筆に励んでいます。野村英夫は、かつては病弱な少年でしたが、今では詩や小説を創作するようになりました。彼の書くものは、まるで彼が作る鷄小屋や庭の椅子のように、どこか素朴で温かみのある作品です。中村眞一郎は、フランス文学に傾倒し、ジャン・ジロオドウの小説を翻訳する傍ら、自身も力強くも繊細な長編小説に取り組んでいます。そして、福永武彦は、中村と並ぶ読書家で、アメリカの作家、ジュリアン・グリインやジャン・ポオル・サルトルなど、様々な作品を愛読しています。彼は、中村と共に小説を執筆中で、その独特の世界観が光る短編も発表する予定です。それぞれの作家が、個性豊かな作品を生み出し、高原の静寂の中に新たな文学の花を咲かせようとしています。