下野富田の村の菊世という女は、快庵禅師に、峯の阿闍利との不思議な出来事を語り始めます。阿闍利は、静かに山寺で暮らし、村人たちを優しく見守る存在でした。菊世は、阿闍利の清らかな心を慕い、毎年お供え物を携えて山寺を訪れていました。しかし、ある時、阿闍利の元に美しい童子が現れ、阿闍利は童子を深く愛するようになります。菊世は、阿闍利の変わらぬ優しさに安堵しますが、同時に、童子の存在にどこか違和感を覚えます。やがて、童子の姿は消え、阿闍利は村に姿を現さなくなります。菊世は、阿闍利と童子に一体何が起きたのか、その真相を探ろうとします。