19世紀半ばの長崎を舞台に、南蛮鋳物師の萩原裕佐と、その親友である版画師の孫四郎の交流を描いた作品です。裕佐は、父から受け継いだ南蛮鋳物の技術を駆使しながらも、自分の進むべき道を見失い、心の平安を見いだせずにいました。一方、孫四郎は裕佐とは対照的に、自身の才能を生かし、世俗的な欲望に忠実に生き、裕佐を嘲笑います。裕佐はそんな孫四郎の生き方に反発しながらも、どこか羨ましく思い、自分の心の闇に苦悩しています。ある日、裕佐は出島の遊女、君香と出会います。君香は裕佐の心に、新たな混乱と欲望を芽生えさせ、裕佐は再び心の迷宮へと足を踏み入れていきます。