漱石の講演「私の個人主義」から、権力と金力に対する人間性の主張、そして有島武郎の生涯にまで話が及びます。現代の学習院に漱石がいたら、どんな話をしただろうか。当時と今とでは、社会状況や特権階級のあり方が大きく変わりました。戦争で財を蓄えた新興階級が台頭し、学習院の生徒たちの環境も様変わりしています。漱石は、現代の学習院生に何を語りかけるでしょうか。時代が変わっても、権力と金力に対して毅然とした人間性を主張するであろう、と著者は確信しています。青春時代は、社会の矛盾や不健全な風潮に敏感です。経済困難や戦争回避のために、世界は変化し、日本の良心も奮闘しています。特権生活への憧れや嫉妬が蔓延る中で、アルバイトをしながら勉学に励む学生たちの熱い思いは、日本の青春を象徴しています。