「学位売買事件」という事件が世間の注目を集めました。この事件をきっかけに「学位は不要だ」という声も上がりますが、著者は、学位は学術研究の成果を証明するものであり、その存在意義は否定できないと主張します。学位授与をめぐる問題点は、論文の価値判断の難しさにあります。学問分野の専門化が進むにつれ、論文の価値は審査員の専門領域や見識によって大きく左右され、そこに主観的な判断が入り込む余地が生じるのです。しかし、著者は、学術研究の発展のためには、学位を惜しみなく授与すべきだと訴えます。多くの人が研究に励むことで、優れた成果を生み出す可能性が高まるからです。学位は学術研究の奨励であり、その価値を過小評価すべきではないと、著者は力強く主張します。