寺田寅彦が執筆中だった『物理学序説』は、未完のまま残され、長い間世に知られることはありませんでした。しかし、著者の没後、全集編纂の際に奇跡的に発見され、世に出ることになりました。この書は、科学者の視点から、物理学の本質、特に「時間」や「空間」といった概念を深く考察したもので、当時の最先端の科学理論と哲学を交えながら、現代物理学の根幹をなす問題点を探求しています。著者は、物理学における「説明」の意味や「実在」の概念を吟味し、人間の知覚と科学との関係について独自の考えを展開しています。深い洞察に満ちたこの書は、科学研究者のみならず、科学の本質に関心を持つすべての人に、新鮮な視点を与えてくれるでしょう。