戦後まもない信州の山村の国民学校で、若い女教師の北原ミユキは、疎開児童の井出という生徒のいじめ問題に、他の教員とは異なる考えを持つ。彼女は、井出の家庭訪問を通じて、軍人である井出の父親への偏見や、村人たちの中に蔓延する戦争に対する感情の複雑さを目の当たりにする。そんな中、彼女は、自転車の事故で出会った復員兵士・市ノ瀬牧人と関わりを持ち、彼の率直な言葉に惹かれていく。一方、井出夫人は、戦争で夫と離れ離れとなり、経済的な苦境に陥っていた。彼女は、長年大切に思ってきたピアノを売却することを決意するが、その決断の裏には、夫への想いと、新しい未来への不安が複雑に絡み合っていた。