坂口安吾は、ソ連の若者たちの性格や感情が、社会主義体制によってどのように変化していくのかという問いを、当時の社会状況と絡めて考察しています。ソ連の若者たちの報告書を読んだ安吾は、彼らの性格や感情は、まだ従来のままであり、大きな変化は見られないと結論づけます。しかし、環境は必ず人を変化させるという考えから、安吾は自身の内面を深く見つめ、人間の感情の本質を探求していきます。そこで、安吾は「死」という概念が、人間の感情や文化に与える影響の大きさ、そして「死」が取り除かれた世界では、人間はどのような存在になるのかという問いに突き当たります。安吾は、人間の深淵な存在と、それを覆う「死」という不可解な謎について、鋭い洞察を深めていくのです。