増田惟茂の「知的作用と感情と」は、人間の精神生活において知覚や思考といった「知的作用」と、喜びや悲しみといった「感情」がどのように関係しているのかを考察した作品です。著者は、知的作用は意識内容と心的働きという二つの側面を持つ一方で、感情は意識内容と心的働きが明確に分かれていないことを指摘します。そして、感情こそが精神生活の根源的な力であり、知的作用は感情を土台として成立すると主張します。感情が持つ、意識内容と心的働きを一体化する性質こそが、人間にとって重要な意味を持つと説き、従来の心理学では捉えきれていなかった感情の本質に迫ります。