川の多い村で育った少年は、夏の夜、無数の蛍が光る水郷を舞台に、毎晩のように蛍狩りに出かけていました。少年は、捕まえた蛍を籠に入れても、翌朝には必ず消えてしまうことに疑問を抱き、その謎を解き明かそうと、夜な夜な水郷を探し回ります。やがて少年は、深い森の中に迷い込み、そこで奇妙な老人に出会います。老人は、少年を背負って家まで送ってくれるのですが、翌朝、少年が目覚めた時、老人が誰だったのか、どこで出会ったのか、何も思い出せませんでした。少年は、その後も何度か水郷を訪れようとしますが、再びその場所を見つけることができませんでした。少年にとって、水郷での出来事は、大人になった今でも、謎めいた記憶として心に残っているのです。