佐藤春夫は、小泉八雲が優れた批評家であったことを指摘し、八雲が自身の講義を通じて文学の本質を学生たちに伝えようとした聡明な姿勢を称賛しています。八雲は、当時の日本ではまだ一般的ではなかったブレイクやボードレールなどの作家を高く評価し、彼らの作品から学ぶべき点を学生たちに示しました。また、八雲がトルストイの芸術論に共感していたことや、自身の文学を「英文学畸人伝」の一つの表現として捉えていたことも紹介しています。八雲の詩は、澄明平淡で幽玄な効果を持つと評され、日本の古文にも似ているとされていますが、八雲が日本の文学から学んだのではなく、自身の哲学的空想を拡張した結果であると分析しています。