著者は、昭和13年、戦乱の北支那を旅します。塘沽に上陸し、天津、保定、石家荘、北京と巡り、陸路で帰国する、わずか3週間の慌ただしい旅路でした。著者は、戦禍で荒廃した都市や村落の惨状、住民たちの不安と恐怖、そして日本軍占領下における生活の様子を目の当たりにします。一方で、北京の街並みや住民の生活からは、戦争の影をあまり感じ取れません。著者は、一見平和に見える北京が、幾度も動乱の中心になったという事実と、住民たちの戦争に対する超然とした態度に疑問を抱きます。そして、日本人の戦争に対する考え方と、支那人のそれとが大きく異なることを痛感するのです。