水戸藩の隠居となった徳川光圀は、西山荘で百姓と暮らしながら、かつての政務を忘れ、穏やかな日々を送っていました。しかし、彼は決して世俗から離れたわけではなく、領民の暮らしや藩政に関心を持ち続けていました。ある日、城下へ出かけることになり、道中では若き家臣たちとの軽妙な会話が弾みます。そして、かつての恋人の娘と偶然出会い、その美しさに心を奪われます。城下では、かつて光圀が深く信頼していた学者・人見卜幽の子である又四郎と再会し、彼の抱える藩政への不安や、父の遺志を継ぐことへの葛藤を目の当たりにするのです。光圀は、又四郎の思いを受け止めながらも、彼の頑固さを諭し、共に過ごす中で、改めて自分の生き様を問い直すことになるのでした。