「撫でられた象」は、西洋文学の影響を強く受けながらも、その本質を捉えきれずに彷徨う現代の文学者たちの姿を描いた評論です。作者は、象の一部しか知らない者が、象全体を語ろうとすることの危うさを指摘し、作品に「存在の姿」を与えることの重要性を説きます。文学者たちは、外国文学の形式ばかりを模倣し、作品に「流れ」や「持続」といった、本来の芸術性を欠いていると批判しています。作品の真の価値を見失い、虚無感を抱く文学者たちにとって、必要なのは、先人の作品を深く理解し、自らの芸術観を確立すること、そして、作品に独自の「フォルム」を与えることだと訴えています。