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ランダムピックアップ ― 芥川竜之介論(堀辰雄)
堀辰雄は、芥川龍之介の芸術が、自身の魂に深く根付いているため、冷静に分析することが難しいと述べます。批評は他者の作品を通して自己を表現することであるため、最も近い魂の作品を批評するには、自分を冷静に見ることが不可欠であり、そこには批評家の苦悩と矛盾が存在すると語ります。しかし同時に、その困難さゆえに、彼は芥川龍之介を論じることに情熱を燃やします。彼は芥川龍之介の晩年の作品を愛し、多くの批評家が初期の作品を高く評価する一方で、晩年の作品を「痩せてしまった」と評することに反対の立場をとります。晩年の芥川龍之介は、彼の眼を「死人の眼を閉ぢる」ように静かに開けてくれたと述べ、その眼で作品を見つめ、人間の宿命的な部分を理解したと主張します。
この論考では、芥川龍之介の芸術が、彼の魂にどのような影響を与え、悲劇的な死へと導いたのかを探ります。また、彼の作品を通して、晩年の彼がどのように「悪の花」を咲かせたのかを、彼の芸術観や人生観を紐解きながら考察していきます。