隅田川の水はかつては美しく、両国では水練場が賑わっていました。著者は少年時代、友人と川を漕ぎ、向島や品川の砲台まで足を伸ばしたものです。やがて興味は変わり、友人も遠くになり、月日は流れ、その頃の思い出は夢のようにぼんやりと蘇るばかりです。浅草橋場の河岸には別荘のような屋敷が立ち並び、著者は友人と弁当を食べたり、腕の疲れを休めたりしていました。ある日、桟橋で釣をしている学生と出会い、不思議な縁で親しくなりました。時は流れ、著者はアメリカへ渡り、数年後、ニューヨークの公園でその学生と再会を果たします。少年時代の思い出は、時の流れを超えて再び鮮やかに蘇り、著者の心を温かく満たしました。