大正九年、衆議院議員に初当選した中野正剛は、鮮烈な印象を与える演説で注目を集めます。同じく初当選を果たした永井柳太郎と共に、若き政治家として時代の寵児となり、二人の対照的な姿は、学生時代から尾崎士郎の心を捉えていました。中野は、柔道家としても知られ、豪放闊達な一方、知性と鋭い感性を持ち合わせていました。政治家として成功を収めた永井とは対照的に、中野は常に改革運動家としての熱い思いを胸に、理想と情熱を追求する道を歩みます。時に激情に駆られ、周囲を巻き込むような行動をとることもありましたが、彼の真摯な姿は多くの人々を惹きつけました。しかし、理想と現実の狭間で苦悩する中野は、常に孤独な闘いを強いられていきます。