鬼眼鏡と呼ばれる、強烈な個性の持ち主であるおつやは、唐物問屋を営み、その豪勢な暮らしぶりで世間を騒がせていました。彼女には、神田っ子の娘である美しいお八重という嫁がいましたが、おつやは、お八重を自分の支配下に置こうと、様々な嫌がらせを仕掛けます。一方、鉄屑肥とりの大内儀は、おつやの生き様を目の当たりにして、自分も彼女のような人気者を贔屓しようと企み、ある日、娘を連れて芝居茶屋へ出かけていきます。そこには、歌舞伎役者の勘五郎と、彼の息子である銀之助がいて、大内儀は、自分の娘を勘五郎に売り込もうとします。この騒動に巻き込まれた「あんぽんたん」と名乗る語り手は、子供ながらに大人の世界の複雑さに気づき、鬼眼鏡とおおかめさんの強烈な個性、そして、その陰に隠された哀しみを感じ取るのでした。