大正十二年九月一日、関東地方を襲った大地震。喜田貞吉は、その日の朝、執筆を終えたばかりの原稿を土中に埋めたまま、恐怖に突き動かされ、家族とともに家屋から逃げ出す。地震と火災の混乱の中で、喜田は家族の安否を確認し、家屋の被害状況を記録していく。周囲は火の海となり、恐怖に満ちた日々が続く。町は戒厳令下に置かれ、食料不足や放火の噂が飛び交う。次第に秩序が回復していく中で、喜田は再び日常生活を取り戻そうとする人々の姿を目の当たりにする。しかし、地震と火災によって失われたものは多く、街の惨状は言葉では言い表せないほどであった。