福沢諭吉は、男女の地位が釣り合い、程よく調和がとれるよう、男性の立場を低くする必要性を説きます。男性が道徳論を語る際に、自身のことより他者との関係を優先させる傾向があることに疑問を呈し、夫婦関係こそ人生における最も大切な道徳の基盤であると主張します。男性は、妻を敬愛し、夫婦が一体であることを意識し、互いの苦楽を分かち合うべきだと説き、一夫多妻や不倫は、家内はもちろん社会全体に悪影響を及ぼすとして厳しく批判します。さらに、男性は、妻子や家族に対して、まるで君主のように振る舞い、厳格な上下関係を築き、内行を厳しく管理することで、不品行を防ぐべきだと説きます。男性は、自己を信じ、高潔な徳を磨き、社会においても誇りをもって行動することで、真の紳士となるべきだと訴え、当時の日本男性のあり方に対する強い危機感を表明しています。