裁判所は世間の裏側、様々な罪人が集まる場所。二十年もそこで働いていると、面白い事件も、次第に心に響かなくなってしまうものだ。しかし、忘れられない一風変わった事件が、かつてあった。それは、貧しい洗濯屋の配達夫が窃盗の罪で起訴された事件。証拠不十分で苦戦していた被告を救ったのは、葭町の待合「つぼ半」の女将、福田きぬだった。彼女の証言は、被告に無罪をもたらす。しかし、この事件は、その後、放火事件、殺人事件へと繋がっていく。そして、これらの事件の影には、福田きぬの恐るべき秘密が隠されていることに、弁護士の菱沼は気づき始める。真相を解き明かすため、彼は、天才的な探偵、青山に助けを求める。やがて、裁判所を舞台にした、予測不能な戦いが始まる。