丹波の朝倉山椒というのは、古くから有名で献上品、あるいは大名の御用となって諸方へ出回り、ずいぶん珍重されたようである。当時用いたといわれる容器は五、六升入りくらいの壷で、今日骨董品として数万金で売買されている。
若実さんしょうを「辛味噌[#「辛味噌」は底本では「から味噌」]」に三年漬け込んだものは、酒肴としてはもちろんのこと、お茶漬けの副菜としてもこの上なしといえよう。さんしょうは若実、若芽(キノメ)でなくては価値がない。お茶でいえば、玉露にあたるような上等の新茶がよいのである。
(昭和八年)
底本:「魯山人著作集 第三巻」五月書房
1980(昭和55)年12月30日
※誤植を疑った箇所を、「魯山人著作集 第三巻」五月書房、1997(平成9)年12月18日新装愛蔵版の表記にそって、あらためました。
入力:江村秀之
校正:栗田美恵子
2020年9月28日作成
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