あらすじ
雪が降りしきる夜、語り手は過去を思い返しています。かつて心に深く刻み込んだ思い出は、年月が経つにつれ薄れていくように感じます。しかし、その中でも特に忘れられない、裏切りとも呼べるような出来事の断片は、鮮明なまま心に残り続けているのです。語り手は、その忘れられない思い出を、まるで心の奥底から引き剥がそうとするかのように、激しく揺さぶります。その思出も年をふれば 塵となる 煙となる ああその
かの裏切りの片見なら 捉へがたない思出の 性も是非ない
行くがいい 行くがいい 私を殘して 歸る日もなく行くがいい 思出よ
了
底本:「三好達治全集第一卷」筑摩書房
1964(昭和39)年10月15日発行
入力:kompass
校正:大久保 知美
2018年2月25日作成
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