あらすじ
静かに降り続く雪は、窓の外を白く染め上げていきます。窓から差し込む雪の光は、心の奥底に眠る過去の記憶を呼び覚まします。しかし、それは同時に、消えゆく希望の幻影を映し出すものでもありました。雪は、過去を思い出し、そして忘れさせる、そんな不思議な力を持つようです。
雪はふる 雪はふる 聲もなくふる雪は 私の窗の半ばを埋める
私の胸を波だてた それらの希望はどこへ行つたか ――また今宵
それらの思出もとび去りゆく 夜空のかぎり 雪はふる 雪はふる
雪は思出のやうにふる 雪は思出のやうにふる また忘却のやうにもふる

底本:「三好達治全集第一卷」筑摩書房
   1964(昭和39)年10月15日発行
入力:kompass
校正:大久保 知美
2018年2月25日作成
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