あらすじ
夜中に野菜畑に忍び寄った野兎は、敷かれた筵の隙間から畑へ飛び込むと、罠にかかってしまいます。必死に逃げようとしますが、罠から逃れることはできず、月が沈むまで格闘した後、力尽きて眠り込んでしまいます。そして、静かに夜明けが訪れ、白菜たちが目を覚ますのです。
拔足差足 忍び寄つた野兎は 蓆圍ひの隙間から 野菜畑に跳びこんだ
とたんに係蹄わなに引かかる 南無三 とんぼがへりを二つ三つ
力まかせに空を蹴る 月を蹴る 月は 山の端にいる
やがて兎は 寢てしまふ 白菜たちが眼を醒す

底本:「三好達治全集第一卷」筑摩書房
   1964(昭和39)年10月15日発行
底本の親本:「定本三好達治全詩集」筑摩書房
   1962(昭和37)年3月30日
初出:「改造 一八卷一號」
   1936(昭和11)年1月
入力:kompass
校正:大久保 知美
2018年4月26日作成
2019年8月10日修正
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