あらすじ
伊藤野枝は、友人である武部ツタに近況を知らせる書簡を書き送ります。出産の報告と共に、松茸の入手困難さを嘆き、ツタに送付を依頼する様子が描かれています。手紙の最後には、愛情のこもった言葉で、ツタへの気遣いが感じられます。
宛先  大坂市西区松島十返町 武部種吉様方
発信地 東京市外巣鴨村宮仲二五八三


 前略 おかはりはありませんか、
私も元気でゐます故御安心下さい。
先日廿五日に女児出産魔子まこと名づけました。
そちらではもう松茸が出てゐるやうですが、こちらではまだ手に入りません。少々でよろしいが送つて貰へませんか、その代りへは何なりとそちらでおのぞみのものを、こちらからもお送りします。
 何卒よろしくお願いします。
野枝
津た子様

底本:「定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代」學藝書林
   2000(平成12)年5月31日初版発行
入力:酒井裕二
校正:雪森
2016年6月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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