あらすじ
「(仮定はないぞよ!)」は、中原中也が自身の内面を率直に表現した詩です。理屈や世間の常識に縛られることなく、自由で奔放な精神が、独特な言葉とリズムで鮮やかに描かれます。詩の中に現れる“サンチマンタリズム”や“趣味の本質”といった言葉は、中也自身の苦悩と葛藤を象徴しているのかもしれません。彼の鋭い感性と、時代を超えて響く言葉の数々を、ぜひご堪能ください。
仮定はないぞよ!
先天的観念もないぞよ!
何にもない所から組立てゝ行つて
先天的観念にも合致したがね

理窟が面倒になつたさ
屋根みたいなものさ
意識した親切は持たないがね

忠告する元気があれば
象牙の塔の修繕にまはさうさ
カウモリ傘にもたれてみてゐりやあ
人は真面目にくたびれずに
事業つて奴をやつて呉れらあ
サンチマンタリズムに迎合しなきや
趣味の本質に叛くかしらつてのが
まあまあ俺の問題といへば問題さ

底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩」角川書店
   2001(平成13)年4月30日初版発行
※底本のテキストは、著者自筆稿によります。
※()付きの表題は、作品の冒頭をとって、底本編集時に与えられたものです。
※()内の編者によるルビは省略しました。
入力:村松洋一
校正:きゅうり
2020年9月28日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。