あらすじ
弱き者が強き者に、タバコの灰が燈心に、霧の不平が決闘に、嘗てみえたことはありませんか? それは、まるで初恋のように、儚くも力強く、そして残酷なまでに美しいのです。中原中也の詩「初恋」は、言葉の魔術で、誰もが経験したであろう、忘れえぬ感情を鮮やかに描き出します。
最も弱いものは
弱いもの――
最も強いものは
強いもの――

タバコの灰は
霧の不平――
燈心は
決闘――

最も弱いものが
最も強いものに――
タバコの灰が
燈心に――
霧の不平が
決闘に
嘗てみえたことはありませんでしたか?
――それは初恋です

底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩」角川書店
   2001(平成13)年4月30日初版発行
※底本のテキストは、著者自筆稿によります。
※()内の編者によるルビは省略しました。
入力:村松洋一
校正:hitsuji
2019年9月27日作成
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