あらすじ
ある男が、真実を真実として受け止め、金銭を金銭として嘆き悲しむことを、風を受けながら、バラと野菜がそれぞれに花を咲かせ、鳥が飛び、魚が泳ぎ、虫が這うこと、そして男と女が慎ましく寄り添うことと同じように、すべて美しいものと捉えます。自然や人間の営み全てに、真実と美しさを見出す男の静かな心情が、力強く表現されています。金ヲ金トシ悲シムコト、
吹ク風ノオノレソヨギ、
薔薇ト野菜ノムキムキニ咲キ、
鳥ノ飛ビ、魚ノオヨギ、虫ノ匍フコト、
男ヲンナノツツマシク連レ添フコト、
ミナアハレナリ、シンジツニ。
ミナアハレナリ。
了
底本:「白秋全集 3」岩波書店
1985(昭和60)年5月7日発行
底本の親本:「白秋全集 第三巻」アルス
1930(昭和5)年7月19日
※本編は底本の親本の「白金ノ独楽」の「現身鈔」の章に入っているものです。
入力:岡村和彦
校正:フクポー
2017年8月25日作成
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