あらすじ
ある晩、黒衣を身につけた「自然教徒」と呼ばれる人物は、静かな夜空の下、小高い丘へと向かいます。丘には、聖十字架のようにそびえ立つ一本の白樺が待ち受けています。彼は、夜空に輝く星々を見つめながら、静かにその白樺へと近づいていきます。そこには、彼だけの特別な祈りが存在するのかもしれません。
こんな静かな晩、外は全くの闇である
星はわずかに下界を雲間にのぞいている
    *
ああ下界は午後十一時
俺は今夜も自然教徒なる故に
黒き衣を身に着けて
静かに彼方の小高い丘へ歩んでゆく
    *
小高い丘には
一本の白樺が、聖十字架の如くにそびい((ママ))ている
了

底本:「今野大力作品集」新日本出版社
   1995(平成7)年6月30日初版
初出:「旭川新聞」
   1924(大正13)年3月8日
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年2月17日作成
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