あらすじ
五月の柔らかな陽光が葉桜を照らし、遠くで自動車が走り去ります。兵営の白い塀が埃っぽい道を曲がりながら続いていく中で、主人公は、自分の内に渦巻く感情と向き合います。静かな風景の中に、複雑な思いが漂う、切ない詩です。遠き自動車は走り去る。
わが欲情を吸収する
堀ばたの赤き尖塔よ。
埃立つ道に沿ひて
兵営の白き塀は曲り行く。
了
底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社
1975(昭和50)年7月10日初版第1刷
1984(昭和59)年10月1日第6刷
底本の親本:「定本富永太郎詩集」中央公論社
1971(昭和46)年1月
入力:村松洋一
校正:川山隆
2014年3月7日作成
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