あらすじ
銭湯から帰るとき、人々は皆、裸になり、汗や汚れを洗い流します。そして、再び着衣をまとい、日常へと戻っていくのです。しかし、その姿は、まるで豹やシマウマの美しい毛皮を脱ぎ捨て、普段着に戻ったかのよう。誰もが同じように、裸の自分をさらけ出し、その場を共有する。そんな銭湯という空間で、人は一体何を思い、何を語るのでしょうか。
仔どもや金貸しや先生や役人や痩せたのも太いのもいつしよくたに
汗や膏や表皮を流す裸のとき
裸の楽しいときをへて さて ふたゝび湯水のなかを産れるとき
豹 縞馬の身のやうな美しい毛皮なし
また候 おれの襯衣 衣裳のなか
おれの型に頭髪かみをとゝのへ 髯 眼鏡を貼附なし
「光」などくちに銜へ
立派やかひとりまへに成りすました
ゆくさきは苗字ところ番地のしるされた
祖先が穴居時代なしたやうに
おれの住むに這入つていつた

底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:良本典代
2017年10月25日作成
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