あらすじ
「睡眠」は、絵具、水夫、珊瑚、帆、貨物船、商店旗、飛行機、駝鳥の卵、仮面、そして「おれ」と「女」が、夜の静寂の中でそれぞれに思いを馳せ、眠りにつく様子を描いた詩です。それぞれのモノや人物が持つ色彩が、夜の帳に包まれた世界に鮮やかに浮かび上がり、独特の幻想的な風景を作り出しています。
絵具は雄弁にねむつてゐる
一水夫は港を想ふ夜!

珊瑚は沈んでゐる
夜。海のそこに朱
帆は死んでゐる
夜。帆桁に白
貨物船は錆びてゐる
夜。港のすみに黒
商店旗は垂れてゐる
夜。街上に紫
飛行機は休んでゐる
夜。広場で青
駝鳥の卵は焦つてゐる
夜。飾窓で黄
仮面は生きてゐる
夜。劇場の壁に赤
おれは睡つてゐる
夜。街裏に紅
女は湿つてゐる
夜。地上いちめん蒼
その体は息をする
まだら

底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:良本典代
2017年3月11日作成
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