あらすじ
気象台にそびえ立つ、鋭角なアンテナ群。それはまるで、科学が織りなす壮大な網の目です。そこには、空中から集められた無数の情報が、美しい蝶のように行き交い、世界各地へと届けられています。見上げる額に、気象台の鋭角は、力強い意志を感じさせます。空に突き刺さった氷柱の先端から、広がる円形の青い地図。殺到する電波が、世界の境界線を描き出す風景に、作者は深い感慨を覚えるのです。蝟集する空中消息は豊麗な蝶々だ
見上げる額に
気象台の鋭角は颯爽たる意欲よ
ああ 空に向つて垂れる氷柱の先端
つき刺された空は円形の青地図をひろげ
見よ
殺到する電波は世界の沿線を描いてゐる
了
底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:良本典代
2016年9月9日作成
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