あらすじ
松の木山で、銃声が響き渡ります。赤い旗が、雲のように動かないまま山の上に立っています。銃声が止むと、的が回転を始めます。射手の弾は、調子が良いようで、的を射抜くたびに旗が勢いよく上がります。射手の眼は、白雲だけを見つめています。
松の木山に銃声がいくつもとどろいた
山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている
銃声が止むと ごとんごとんと六段返しみたいにまとが回転する
おれのたまは調子づいたとみえて うつたびに景気のいい旗が上った
おれの眼玉は白雲ばかり見ていた

底本:「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店
   2001(平成13)年11月30日初版第1刷発行
   2002(平成14)年8月30日初版第5刷発行
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年11月14日作成
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