あらすじ
「雲」は、空に存在する雲について、独自の視点で語りかけてくる作品です。雲は単に存在するのではなく、踊ったり歌ったりと、まるで生命を持った存在のように描かれます。その不思議な表現は、読者に、今まで当たり前だと思っていた「雲」という存在を見直すきっかけを与えてくれます。詩の中に隠されたメッセージを読み解きながら、雲を通して、人生や自然、そして自分自身について考えさせられる、そんな深い作品です。
空には
雲がなければならぬ
日本晴れとは
誰がつけた名かしらんが
日本一の大馬鹿者であろう

雲は
踊らねばならぬ
踊るとは
虹に鯨が
くびをつることであろう
空には
雲がなければならぬ
雲は歌わねばならぬ
歌はきこえてはならぬ
雲は
雲は
自由であった

底本:「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店
   2001(平成13)年11月30日初版第1刷発行
   2002(平成14)年8月30日初版第5刷発行
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年11月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。