あらすじ
傘もお金も持たずに、容赦なく降り続く雨の中、少年は一人歩き続けます。寒さも、周囲の無関心も、少年の足取りを止めません。彼の心は、にぎやかなものが好きという強い思いで満たされています。雨は止むことなく降り注ぎますが、少年は力強く、そして静かに歩みを進めるのです。ざんござんごと
雨がふる
まっくらな空から
ざんござんごと
おしよせてくる
ぼくは
傘もないし
お金もない
雨にまけまいとして
がちんがちんと
あるいた
お金をつかうことは
にぎやかだからすきだ
ものをたべることは
にぎやかだからすきだ
ぼくは にぎやかなことがすきだ
さいげんなく ざんござんごと
雨がふる
ぼくは 傘もないし お金もない
きものはぬれて
さぶいけれど
誰もかまってくれない
ぼくは一人で
がちんがちんとあるいた
あるいた
了
底本:「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店
2001(平成13)年11月30日初版第1刷発行
2002(平成14)年8月30日初版第5刷発行
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年10月13日作成
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