あらすじ
戦争の話題で溢れる街で、少年は自分の行く末をぼんやりと考えます。征くことは決まっているけれど、一体何をすればいいのか。戦場で活躍できるのか、それとも…。戦争に巻き込まれる不安と、自分の無力さを感じながらも、少年は成田山に願いを捧げます。
街はいくさがたりであふれ
どこへいっても征くはなし 勝ったはなし
三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれど
だけど こうしてぼんやりしている

ぼくがいくさに征ったなら
一体ぼくはなにするだろう てがらたてるかな

だれもかれもおとこならみんな征く
ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど

なんにもできず
蝶をとったり 子供とあそんだり
うっかりしていて戦死するかしら

そんなまぬけなぼくなので
どうか人なみにいくさができますよう
成田山に願かけた

底本:「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店
   2001(平成13)年11月30日初版第1刷発行
   2002(平成14)年8月30日初版第5刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年10月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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