あらすじ
静寂が支配する夜。月が変圧器に引っかかり、風も止んでいます。人影もまばらで、犬の遠吠えだけが響き渡る、不気味な夜です。エーテルは蒸発を止め、詩人は居眠りをしているかのようです。障子からは蛾の死骸が落ちてきました。静寂の中で、何かが起こりそうな、不穏な予感が漂う夜です。風は止んだし
いやにあつくるしい夜だ
人通りもとだえて
犬の遠吠えだけが聞こえる
いやにおもくるしい夜だ
エーテルは一時蒸発を止め
詩人は居眠りをするような
いやにものうい夜だ
障子から蛾の死がいが落ちた
了
底本:「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店
2001(平成13)年11月30日初版第1刷発行
2002(平成14)年8月30日初版第5刷発行
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年7月19日作成
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