あらすじ
美しく、そして幸せな君を思うと、魂は砕け散りそうです。罪を負いながらも、君は死んでしまったと目を閉じ、痩せ細った胸を撫でています。最初から心は一つになれなかった、二人の恋の約束は、法と両親、そして祖国に阻まれ、君は今、亡骸となって人に託されました。しかし、君は人妻であり、整い、清らかな妻なのです。私は喉が裂けようとも、沸騰した鉛を飲み込もうとも、君を呼びたい、我が妻よ。おもへば魂はくづるゝに、
なまじい罪は負ひつゝも、
君は死にきと眼を閉ぢて、
痩せたる胸を撫づるなり。
もとより心いつはらぬ
ふたりが恋のくちつけは、
法の父上母うへの
御国にゆりぬ、君はいま
むくろぞひとに委ねけめ。
されども君は人妻と、
整ひきよき妻がさね、
われ咽喉ぶえは裂きもすれ、
沸ぎる鉛は啣むとも、
えやは呼ぶべきわがつまと。
了
底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年12月24日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。