あらすじ
古木のアカホの木に一羽の烏が止まり、その姿は村人たちに死や出産の前兆を告げていると信じられています。村人たちは、木に寄り添い、烏の運命の声に耳を傾け、胸騒ぎを抑えきれずにいます。
冬の光は冲天に流れて
池面は数日来じめじめ淀んでゐる
アカホの木は一つ古木ゆゑに
杖のやうに気根をたより
その南の枝に烏は一羽 未だ地上に達しない光を貪ってゐる
烏は ただ 黙々と
村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ
樹下にたじろぐ二人三人の村人は
木梢にうそぶく彼の運命の声に胸をおさへてゐる
※(蛇の目、1-3-27)このアカホの木に烏がなけば、それは村中に起るべき死人かお産かの前兆であると村人は信じてゐます

底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
底本の親本:「泉芳朗詩集」泉芳朗詩集刊行会
   1959(昭和34)年
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年2月25日作成
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