あらすじ
玩具箱の中には、青い服を着た猟師や、尻尾を振る犬、そして、寂しいホテルの台所で泣くメリイ人形や、ぜんまい仕掛けの鼠など、様々な人形や動物たちが暮らしています。彼らはそれぞれに個性的な生活を送っており、その姿は時に美しく、時に哀愁を漂わせます。釣竿のやうなてつぽうをかついで、
わん、つう、わん、つう、
このへんにそつくりかへつた主人のうしろから、
木製のしなびきつた犬が、
尻尾のさきをひよこつかせ、
わん、つう、わん、つう。
さむしい Hotel の臺所で、
のすたるぢやのメリイが泣いて居る、
ほんのり光る玉菜のかげから、
ぜんまい仕かけで、
鼠がひよつくり顏を出した。
了
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
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