あらすじ
雨の降る日、兄は弟がめんこ遊びをする姿を見つめます。薄青く塗られためんこの絵具が、弟の指先ににじむ様を見て、兄は哀しみに似た感情に包まれます。そして、客間の隅で妹が静かにつぶやく言葉を聞きながら、兄は妹の悲しみを察し、涙をこぼしそうになります。わが弟はめんこ打つ
めんこの繪具うす青く
いつもにじめる指のさき
兄も哀しくなりにけり
雨の降る日のつれづれに
客間の隅でひそひそと
わが妹のひとり言
なにが悲しく羽根ぶとん
力いつぱい抱きしめる
兄も泣きたくなりにけり
了
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
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