あらすじ
心の中に潜む、孤独で哀しい蟲。それは放蕩の象徴であり、夜の帳が下りると、妖しく輝きながら現れます。この蟲は、煌びやかな街の光に惹かれ、虚無感の中で生きているかのようです。しかし、その蟲はただ哀れむべき存在ではなく、読者の心を揺さぶる深い悲しみを宿しているのです。
放蕩の蟲は玉蟲
そつと來て心の底で泣く蟲
夜としなればすずろにも
リキユールグラスのへりを這ふ蟲
放蕩の蟲はいとほしや

放蕩の蟲は玉蟲
青いこころでひんやりと
色街の薄らあかりに鳴く蟲
三味線のばちにきて光る蟲
放蕩の蟲はせんなや

底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
   1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
   1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
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