あらすじ
雪が激しく降りしきる中、一人の男が懸命に走り続けます。その男の心は、何かに対する激しい後悔と悲しみでいっぱいなのです。冷たい雨も容赦なく降り注ぎ、男の顔には、切ない涙が伝います。男は、一体何から逃れようとしているのでしょうか。そして、彼の心の奥底には、どんな思いが渦巻いているのでしょうか。あららんらんと降りしきる雪を冒して
一目散にひたばしる
このとき雨もそひきたり
すべてはくやしきそら涙
あの顏にちらりと落ちたそら涙
けんめいになりて走れよ
ひたばしるきちがひの涙にぬれて
あららんらんと吹きつける
なんのふぶきぞ青き雨ぞや
了
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
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