あらすじ
冷蔵庫から冷えたメロンの甘い香りが漂う中、二郎くんは兄と一緒に遊びに行った牧場へ行くことを想像していました。そこに、叔母と妹のきみ子さんがやってきます。メロンを食べた後、二郎くんは冷えたメロンを兄に届けようと、きみ子さんと一緒に自転車に乗ります。風を受けながら、兄の待つ涼しい木陰へと急ぐ二人。メロンを届けるため、二人はどんな思いで自転車を走らせるのでしょうか。「二郎ちゃん、メロンが つめたく なって いますよ。にいさんが かえったら、きって あげましょうね。」
と おっしゃいました。
二郎さんは じぶんも、にいさんの しゃせいに いって いる、ぼくじょうへ いって みようかと おもって いると、おばさんが、きみ子さんを つれて、おいでに なりました。
きみ子さんは、すぐ おにわへ でて ぶらんこに のりました。
二郎さんは、バケツの 中の かにを、きみ子さんに みせて やりました。
「メロンを きりましたから、いらっしゃい。」
と、おかあさんが およびに なりました。ふたりは とんで きました。
「この つめたいのを、にいさんに やりたいなあ。」
と、二郎さんが いうと、
「まあ、かんしんなこと。」
と、おばさんが おほめに なりました。おかあさんは、メロンを バスケットに いれて くださいました。
「わたしも いっしょに。」
と、きみ子さんは、二りん車の うしろに のりました。
二郎さんは スピードを だして はしりました。シャツの そでが 風に ふくらんで、かみのけが ふわふわしました。
「メロンを もって きた!」
と、ふたりが さけびました。すずしい 木の 下で、太郎さんは、クレヨンで うしの えを かいて いました。
了
底本:「定本小川未明童話全集 16」講談社
1978(昭和53)年2月10日第1刷発行
1982(昭和57)年9月10日第5刷発行
入力:特定非営利活動法人はるかぜ
校正:Juki
2012年7月16日作成
2012年9月28日修正
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