あらすじ
秋の日曜の午後は、澄み切った青空と、金色に輝く光に包まれています。窓から見えるエヤ・サインと気球は、軽やかに空を舞う姿を見せています。街は、雨上がりのように静かで、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気に包まれています。しかし、冷たくなった風は、人々の心をざわつかせるのでしょうか。再会を喜び合う人々の中で、それぞれの思いが交錯し、複雑な感情が渦巻いているようです。みえるのは、エヤ・サイン
軽くあがつた 二つの気球
青い空は金色に澄み、
そこから茸の薫りは生れ、
娘は生れ夢も生れる。
でも、風は冷え、
街はいつたいに雨の翌日のやうで
はじめて紹介される人同志はなじまない。
誰もかも再会に懐しむ、
あの貞順な奥さんも
昔の喜びに笑ひいでる。
了
底本:「中原中也詩集」角川文庫、角川書店
1968(昭和43)年12月10日改版初版発行
1973(昭和48)年8月30日改版13版発行
入力:ゆうき
校正:きりんの手紙
2019年9月27日作成
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