あらすじ
森と丘を繋ぐ虹の橋。その橋を渡るのは、三羽の烏と一人の乞食です。乞食は杖をついて橋を渡り、烏は慌てて落ちてしまいます。夕焼け空に消えた烏と、星の世界へ旅立った乞食。虹は消え、街には灯りが灯ります。
こちらの森(もり)から
あちらの丘(おか)へ
にじが橋(はし)をかけた。

だれが、その橋(はし)
渡(わた)る。

からすが三羽(ば)に
乞食(こじき)が一人(ひとり)。

乞食(こじき)はつえついて上(あ)がったが
からすは、あわてておっこちた。

落(お)ちたからすはどこへいった。
夕焼(ゆうや)けの空(そら)へ。

上(あ)がった乞食(こじき)はどこへいった。
お星(ほし)さまの世界(せかい)へ。

にじが消(き)えた。
にじが消(き)えた。
下(した)の町(まち)には火(ひ)が点(つ)いた。
了

底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社
   1977(昭和52)年1月10日第1刷
   1981(昭和56)年1月6日第7刷
初出:「おとぎの世界」
   1919(大正8)年9月
※表題は底本では、「にじの歌(うた)」となっています。
※初出時の表題は「虹の歌」です。
入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班
校正:江村秀之
2013年12月5日作成
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