あらすじ
夜空に現れた月は、まるで誰かが山でラッパを吹いたかのように、青い空から顔を出します。広い畑では、太鼓の音が響き渡るように、月が輝きを増していきます。そして、波打ち際からは、笛の音色が聞こえるように、月がゆっくりと姿を現します。やがて、月がまんまるく輝き、町中に歌声が響き渡るような、静かで幻想的な夜が訪れます。
だれが山(やま)でらっぱ吹(ふ)く、
青(あお)い空(そら)から月(つき)が出(で)る。

だれが野(の)で太鼓(たいこ)打(う)つ、
広(ひろ)い畑(はた)から月(つき)が出(で)る。

だれが海(うみ)で笛(ふえ)を吹(ふ)く、
波(なみ)の中(なか)から月(つき)がでる。

だれが町(まち)で歌(うた)うたう、
月(つき)がまんまるく照(て)らしている。
了

底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社
   1977(昭和52)年1月10日第1刷
   1981(昭和56)年1月6日第7刷
初出:「おとぎの世界」
   1919(大正8)年4月
※表題は底本では、「月(つき)が出(で)る」となっています。
入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班
校正:江村秀之
2013年12月5日作成
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