あらすじ
カヤナの村の井戸には、毎朝、たくさんの子供たちが集まります。井戸の水は澄みきっていて、子供たちはそこに映る自分の顔を見つめます。耳たぶに光る耳環も、井戸の水に映し出され、キラキラと輝いています。子供たちは井戸の水をじっと見つめ、その神秘的な美しさに心を奪われているようです。
カヤナの村の
朝の井戸、
おほぜい子供が来てました。

カヤナの村の
井戸のそば、
はだしの子供も来てました。

ああ湧いてゐる、
すんでゐる、
みんなが覗いてをりました。

みんなの顔の
耳たぶの
耳環みみわもうつつてをりました。

誰かお花を
落したら
うつつたお空がゆれました。

カヤナの村の
井戸の水
ゆうべはじめて湧きました。

底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
   1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「チチノキ」
   1932(昭和7)年8月
初出:「チチノキ」
   1932(昭和7)年8月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2010年12月9日作成
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