あらすじ
夜空には満月が輝き、遠くから角笛のような音が聞こえてきます。犬は野原を駆け巡り、悲しげに鳴き叫びます。牧師は時計の音を聞きながら階段を下り、乳屋は遠くから悲しげな声をあげます。静寂の世界に響く不思議な音と、それぞれの生き物の反応が、幻想的な雰囲気を作り出します。夜ふけにふいた
ぽうぽうぽうよ、
ぽうぽうぽうよ。
犬が野原を
めぐつてないた。
ぎりり、時計のねぢをばまいて
牧師が階段、ことことおりた。
月が角笛
とほくにふいた。
ぽうぽうぽうよ、
ぽうぽうぽうよ。
牛があくびを
あわわとやつた。
からら、シヤーレの窓をばしめて
ああ、ああ、遠いと乳屋がいつた。
了
底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「チチノキ」
1932(昭和7)年5月
初出:「チチノキ」
1932(昭和7)年5月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2010年12月9日作成
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