あらすじ
岸田國士は、自身のこれまでの作品集には収められなかった、実験的な形式の短編作品を集めた一冊を世に送り出しました。これらの作品は、あくまで試みであり、改めて世に出すことにためらいがあったそうです。しかし、春陽堂の新支配人からの熱心な勧誘を受け、作品を託すことにしたとのことです。特に、コント風の作品をいくつか執筆したのが、本書の重要な部分を占めています。
 この一巻には、今までのどの作品集にもいれることのできなかつた、私としてはやゝ例外的な形式の短篇のみをあつめてみることにした。
 従つて何れも試みの域に止まるものが多く、これを再び世に公けにすることは今では躊躇されるのであるが、春陽堂新支配人磯部節治君の強硬な勧誘をしりぞけることができず、その取捨を一任する約束で、同氏の好意にむくいるほかはなかつたのである。
 たゞ、由来短篇小説といふものを書かなかつた私が、気まぐれにコント風のものを二つ三つ書いた、それがことごとくこゝに収められたことが、おそらく、この一巻の存在理由となるであらう。
著者

底本:「岸田國士全集28」岩波書店
   1992(平成4)年6月17日発行
底本の親本:「花問答」春陽堂書店
   1939(昭和14)年2月10日発行
初出:「花問答」春陽堂書店
   1939(昭和14)年2月10日発行
入力:門田裕志
校正:Juki
2011年8月27日作成
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